まず最初にサイトのデザインと、ロゴのデザインを誰にお願いしようかとても悩みました。間口の広いデザインで、それでいて媚びた印象のしないものがいいなと思ってました。僕から見た小池さんのデザインの印象は、まさにこれに当てはまるもので、それはナチュラルに脱臼している、というような印象でした。意図して仕上げられる技術と、結果。そのバランスが非常に面白い人だと思います。
GI : そっか。で、あいも変わらず今日もノープラン。どっからどう話していいのか。
AK : わたしもわからないです
GI : そうやんな 何回も呼んでるくせしてちゃんと考えてこいよって感じやけど
AK : 岡崎さんとかいたらいんじゃないですか笑
GI : そうやんなーでもやっぱ一対一っていうのがいいんよ
AK : そっか
GI : そうなんよ。walfでは絶対一対一でやるって決めてるから。ずっとなんとなく考えてるのは、前も言ったかもしれんけど、実際のデザインのやりかたとか、どう考えてるかっていうのはきっと他でいっぱい喋るし、なんか俺が聞くことではないから、それの手前にあるものを聞きたい
AK : この間も何に執着してるかで終わりましたよね
GI : もっと実際に細かい生活の方聞く方がわりといいんかなと思ったり
AK : モーニングルーティン
GI : 笑 だから普段どういう生活しててとか、割とそういうところから聞きたいんやけど。 なんか嫌やな、こういうのな
AK : 松田くんにもまだやってないんですか
GI : だから松田くんはこの間聞いたけど、松田くんはもう何年も一緒にしてるし、でも意外と泊まりに行ったこととかはないんよ
AK : いま何年目ですか
GI : 初めて知り合ってからはもう10年くらいたつんちゃうかな
AK : へー
GI : で、合間合間で仕事お願いしてちょこちょこ会ってるんよ。で、一緒にどっか行ったとかはないんか。一緒に水戸藝行ったくらいかな。でもそれくらいの距離感。
で、一緒に本作ってる佐久間さんとか秋山さんは一緒に外国まで行って何泊も一緒に過ごすから、色々わかってたりするんやけど、松田くんはそういう意味で改まって話すとかは割と新鮮で、普段どういう生活してるとか知らんかったりする
AK : へーそうなんだ
GI : 小池さんは東京出身やったよな
AK : はい。東京で
GI : それで色々引越しとるんやっけ
AK : 中高は学校、東京だけど、おばあちゃんと住んでたから神奈川でした。あざみ野ら辺です。中川ってとこです。
GI : 知ってる
AK : センター北南
GI : お金持ち多いよな。そうでもないんかな?
AK : えーでも普通のニュータウンです
GI : ニュータウンよなほんま。何もないよな。へー。あの辺ちょいちょい行く
AK : 結構寂しい街です
GI : ほんま?でももう新しくなってる後やろ
AK : 10年以上行ってないかな。20年か。わかんないです
GI : で、大学って?大学が海外か?
AK : あ、でも日本の普通のところ1年いって辞めてイギリスです
GI : そうなんか。なんでイギリスやったん?
AK : そんときロンドンが好きでした
GI : 単純にそういうこと?それはデザインが〜とかじゃなくて?音楽とか洋服とかそういうこと?
AK : そうですね
GI : そんときってめっちゃサブカル好きだった?そういうのではなかった?
AK : えーうーん好きだけどそんなに。
友達はそういう感じじゃないから一人で好き
GI : へーじゃあ友達といろんなこと共有しながらおっきくなったとかではなくて?
AK : ないですね
GI : あんまり趣味をわかりあえんかったの?
AK : みんな体育会系
GI : そうなん?へー。部活やってたの?
AK : 私は帰宅部だけど、みんなはバスケ部とかラクロスとか
GI : へーラクロスか
AK : そういう感じ
GI : 高校の時は、前聞いた気がするけど音楽結構どういうのが好きだったの?てかどういう変遷でロンドンにたどりついたの?
AK : えーなんでだろうあんま覚えてないなあ
GI : そうなの?小池さんがビビアン、ビビアンウェストウッドがめっちゃ好きやったとか、そういうことでもなくて?
AK : あーまあ持ってたけど、めっちゃ好きってわけではないかな
GI : アレキサンダーマックイーンも生きてたやろ?
AK : うん。生きてました
GI : なあ。わりとばんばん出始めた頃やろ。
おれが今年46になってもたんやけど、高校生っていうとどれくらい?ロンドンとか意識し始めたのって俺は多分オアシスくらいからなんよ
AK : あー
GI : オアシスのことめっちゃ好きになって
AK : ビートルズとか?
GI : ビートルズはだから、オアシスからビートルズいったんよ、俺。最初にビートルズ知っててオアシスじゃなくて、オアシス聞いて好きになって、なんかビートルズっぽいなとは思ったけどあまりにもみんながビートルズビートルズいうから、そんなに似てんのかなと思って、それでビートルズ聞いたら全然オアシスの方が俺は好きだったっていう話なんやけど
AK : わたしもオアシスの方が好きかも知れないです
GI : ほんま?じゃあロックみたいなんも聞いてたんや
AK : でもビートルズとか全然通ってないです
GI : あんま?まあ世代的にはそりゃそうか。
アークティックモンキーズとか?
AK : 音楽だとアメリカの方が好きかな
GI : えーそうなん?例えば?
AK : 私ずっとBECKが好きで
GI : え、ルーザーとかリアルタイムの人?
AK : いや、ちょいあと
GI : ちょっと遅いんか。
出てきたとき全く分からんかった。何これと思って
AK : 一番好き。だった。気がする。今も好き
GI : 俺だからちょっとこう、やっぱり、おっさんになってからやな、BECK好きになったの。笑
最初ピンとこんかったんよね
AK : へーそうなんだ
GI : ヒップホップとかが全然自分に合わんくて
AK : あー
GI : でもそれこそノエルっていうお兄ちゃんの方が
AK : ノエルギャラガー?
GI : そう、ノエルギャラガーがBECKのこといいって言ってて。だから聞くやんか。全然わからへんくて。笑 ギターがなってないのがいやで。ギャンギャン。笑
AK : メキシコっぽいカリフォルニアっぽい感じが好きです
GI : へーそうなんやあ。
年齢って外に出してるっけ?
AK : 出してる
GI : あ、じゃあ別に平気なん?
AK : 今33です
GI : 33。意外と若い。もうちょっと上かと思ってた。なんか
AK : え、うそ
GI : 見た目とかじゃないよ。
ほんまにほんまに。35とか6かと思ってた
AK : お姉ちゃんそんぐらいです
GI : じゃあ帰宅部で、その割とカルチャーぽいことは好きで。洋服もずーと好きだったんやろ?
AK : うん。洋服は好きだけど一緒にわかちあえる友達がいなかったから、雑誌とか、あとお母さんと買い物いったり
GI : そうなんや。それでそのまんま日本じゃなくてロンドンがいいってなって
AK : いやでも普通に大学
GI : あそっか。でも一年やろ?
AK : 一年
GI : 合わんかったんや?
AK : 何も考えずにエスカレーターでいっちゃったから。もう駄目だと。もう出ないとと
GI : じゃあその大学一年間は全く大学と自分が合わんくて、自分がやばいって感じがずっとあったん?
AK : まあでも普通に楽しかったかも
GI : そうなん?色々むずいな笑
AK : 普通になんか
GI : それはそれで楽しかったんや。でも辞めようと思ったんやろ?
AK : うん
GI : なんで?
AK : わかんない
GI : 笑
AK : や、みんなが体育会系で、普通の企業入ってみたいな感じでちゃんとしてて、私これ無理だって思ったから…
GI : じゃあ自分は企業っていうか会社員するようなことは想像がつかんかったんや
AK : そうそう。私絶対就活とか無理だし
GI : まあ俺もそうやし。俺2年浪人して、で東京の大学入って2ヶ月で辞めてるから
AK : えー。え、文化ってこと?
GI : 2ヶ月で辞めてそっから10ヶ月、正味10ヶ月なかったか、半年ちょっとか8ヶ月アルバイトしてお金貯めて、そんで次の年に文化入った
AK : なるほど
GI : だから俺は文化入ったんが、高卒で入った人と比べると3年遅いんよ。俺はいろんなことずっと回り道してるから遅いんよ。写真始めるんもそう意味では遅かって
AK : へー
GI : だからわりと歳食ってる
AK : そっか
GI : 俺は大学はもう全然合わんかった。
楽しいって思う前に辞めたから。新歓コンパしか行ってない。笑
AK : 行ったんだ笑
GI : なんかまじでこれアホになるなと思って。
毎日のようにあるやん
AK : え、飲み会ですか
GI : そう。 俺らの時は本当に新歓コンパっていっていろんなサークルががっつりやってたから
AK : あー、たしかにあったかも
GI : で、なんかバレーボールやってたからバレーボールの入って、練習行ったりもしたんやけど、なんだろな、中高って俺はバレーボールずっとやってて、で、高校卒業して予備校行ったんやけど、予備校も徳島を出て京都の行ったんやけど、代ゼミ行ったんよ。
代ゼミの寮に入って。勉強は全然好きじゃなかったんやけど
AK : へー。だから関西弁。
GI : そうそう、もともと徳島もわりとこんな感じやけど京都の時のが出とるんかもしれん。わからん
AK : なるほど
GI : それで熱心なんよ、予備校の先生って。やっぱり。人気商売やん。だからものすごい授業面白い。勉強好きじゃないけど授業はすごい面白くて。で、常にだからいつもここを目指すみたいな、そういうふうに生きてきたから。でも2年浪人して行きたい大学に全然行けんくて、滑り止めに行ったんよ
AK : え、行きたい大学は何系でしたか
GI : 普通の4年生の大学なんやけど。で、滑り止めに行ったんやけど、まあなんも考えてなかった。なんていうんやろ、いい大学行かなあかんなっていうのがなんとなくあったくらい。で真剣に将来考えてこうしたいあーしたいってのがあったわけじゃなくて。でもなんとなく自分は東京出て行ってなんかするだろうって考えてて。で、大学行ってみたらまあ要はやりたいことが突然なくなって。何していいか毎日まったくわからんくなって。やることっていったら新歓コンパばっかりで笑
AK : 笑 そっか
GI : ほんまに初めて焦って。このままだったらアホになるなと思って。で、これをだらだらだらだら4年間続けて親にお金出してもらって四年間いるのと、ここで真剣に考えるんとどっちがいいだろうと思った時に、真剣に初めてやりたいこと何かなって考えたら、俺は洋服の仕事したいと思ったんよ。で、俺は洋服好きな友達がおらんなと思って、なんでやろって思って。そうか、学歴手放せれば別に専門学校行けばそういう人いっぱいいるやろって思って、それで屋形船でアルバイトしてお金貯めたんよ
AK : えー笑
GI : だから毎日白い割烹着、ああいうの着て。船に乗って、お台場まで出て行って、いかりを下ろして、また中に入って天ぷらしゃーしゃーしゃーしゃー揚げて
AK : えー変なバイト
GI : まだバブルがはじけたばっかやって、屋形船を使った接待がめっちゃあったんよ。
だから企業が毎日のように使ってたんよ。で、そこで天ぷらの腕前をめっちゃ褒められて、10何年やってきたけどお前が一番筋がいい、天ぷら職人になれって言われて、頑張ってたんやけど文化受かって、で、文化行った
AK : はー
GI : っていう感じやった。俺はもう洋服の仕事したいってずっと思ってた。小池さんの場合はロンドン行く前は、でも小池さんの場合もこーしよあーしよって行ったわけじゃなくて、ロンドン行きたいがあって大学一年で辞めてロンドン行った。そんときってロンドンの大学はもう編入決まってたん?
AK : なんか一年の学部入る前のファウンデーションコースってのがあって、学部の前にみんながいく予備校的な。なんの教科とるとか決めてない時に。それ行くのは決まってて、何やるのかはそこで決めよって
GI : そこは結構試験とかあるん?
AK : あります。そこでポートフォリオ作って、学部に受験しにいって、みたいな
GI : そのファウンデーションに入る時はなにを提出すんの?
AK : それは、英語のIELTSとなんだっけ、適当なデッサンみたいな
GI : デッサン力見られるんや
AK : 多分みてないと思う笑
GI : 笑
AK : それは結構誰でも入れそう
GI : あ、そうなん。まあとりあえずそれをパスして、行って、そのファウンデーションは一年?
AK : 一年
GI : その一年の期間で自分が行きたい方向を決めるってこと?
AK : そうです。そこで学部受験のポートフォリオをつくる。いろんなことをやって、全部やって、つくって、受ける
GI : で、どこの学科にいったん?
AK : わたしはファッションかグラフィックかで迷ってて
GI : あ、そうなんか
AK : そうです。だから両方ポートフォリオ作ってたけど、グラフィックにいきました
GI : あ、そん時にもうグラフィックの意識はあったんや。グラフィックとファッションと他はどういうのがあったん
AK : アートとか〜
GI : アートってファインアート?
AK : ファインアートとか空間デザインとか、普通の美大の全部あります
GI : 写真ってあった?
AK : 写真ありました
GI : へー日本人は結構いた?
AK : 日本人より中国人が多かった。アジア
GI : じゃあ韓国の人は?
AK : 韓国そんなにいなかった。シンガポールとかけっこうマレーシアもいたし
GI : まあ今だったらまた違うんやろうな
AK : うん、いま多分中国ばっかだと思います
GI : すごいよな中国の人はだから本当に
AK : うん、教育熱心
GI : 熱心よな。お金もあるしなあ。
で、国に帰ってバリバリやるからな。そりゃ強いよな
AK : うん
GI : 行く前に英語って喋れたん?
AK : ぜんぜん。喋れなかったです
GI : あ、ほんま?じゃあ行って結構苦労したん?
AK : でも美大だからあんまり
GI : え、でも専門用語バンバン出てくるやろ
AK : うーんそんなに授業もないし
GI : あ、そうなん?
しかも俺そこまでわからんけどイギリス英語とアメリカの英語と違うんやろ
AK : うーん。よく生活してたなと今思う
GI : じゃあ怖さはなかったんやそういう
AK : うん
GI : まあでも行って、グラフィックの方進んで、それで学科は何年?
AK : 3年です
GI : あ、3年あるんや。じゃあ3年ちゃんと行ったんや
AK : いや、あんまり行ってないですね
GI : 笑 何してたん
AK : そもそも授業そんなにないから、なんか課題出されて作品つくって二週間後に発表するの繰り返しだから
GI : あ、もうそんな感じなんや
AK : 全然なんか学校あんまり行かない感じ
GI : 課題とかちゃんと真面目にやってる人?
AK : 前日にヒーヒーいう人
GI : 一応提出はしてたんや。てかせんと卒業できんのか
AK : そう
GI : そうやんな。
その中で周りのレベルって高かったの?
AK : 周り全然高くなかった
GI : そうなん?えじゃあ三年間退屈じゃなかった?でも外で遊んでるのは楽しかったん?
AK : なんかグラフィックに友達できなくて、でもファッションの子と仲良かったし、あとなんか音楽好きな子がいて、ライブとか行ったり
GI : あー
AK : あんまクラスの子は全然話も合わないし謎って思ってました
GI : はは、そうなん。どういう感じなん?面白くないってのはもっと頭でっかちな感じなん?
AK : うーん、なんかうーん
GI : 単純になんか違う、とか合わないとかで?
AK : えーなんか、うーんインフォメーションデザインとか
GI : 固いってことか?
AK : てゆうかなんか、面白くなかったです。笑
GI : じゃあ別にプライベートって言い方も変やけど学校以外でライブ行ったり
AK : あとインターンしたりバイトしたり
GI : なんのインターン?
AK : インターンいろいろ。スタイリストのアシスタントとか雑誌のエディターのスタッフか、あとアバケっていうデザインのとことか
GI : へー、結構その辺はガツガツ行くね
AK : うん。多分学校もう早く卒業したくて
GI : あ、そうなんや。
スタイリストも前言ってたもんな。選択肢の一つとしてあったわけやろ
AK : うん
GI : なにが面白かった?そんなかで。どれも面白かった?
AK : うん。どれも面白かった
GI : まあでもそれを仕事にしたいって向こうでそのまま働きたいと思う感じはなかったん?
AK : いやっなんも思ってなくて。でもビザ切れたから帰ってきて
GI : なるほど。未練はなかったん?ロンドンに
AK : んーー。もう3年いたから、いったん東京行きたいなって思って
GI : あーそうなんや、そういう感じはあったんや。向こうでは美術の方は見たりしてたの?
AK : 見てました
GI : どうだった当時?面白かった?
AK : うん。面白かった
GI : ダミアンハーストとかがバンバンやってた頃?
AK : あーそうかも。TATE MODERNででかいのやってました
GI : そうか、それくらいの年代か。
アーティストになりたいとかはなかったの?なんか作って
AK : ないです!
GI : それはなかったんや。まあグラフィックデザイナーもそうやし、スタイリストもそうやし、まあなんかこうあるものを自分が調理するってことにはものすごく興味があるわけやん。でも多分アーティストになりたいってのがあってもおかしくないと思うんやけど、それはまた違うんやろな
AK : なんか多分誰かのためじゃないとやんないから自分のために作りたくない
GI : そういうのって全くというか、ない?自分のために何か
AK : ないです。やりたくない
GI : やりたくないの??!それはそれで面白いな。やりたくないっていうのがあるんや。興味がないとかじゃなくて?
AK : うん。やりたくない。何していいかわかんない
GI : あ、そうなん。まあでも そうかあ。じゃあそれで東京帰ってくるやんか。そっからはどういう流れやったん
AK : そっからはバイトとかインターンとかしつつ、就活しなきゃみたいな
GI : 一応そういうのは思ったんや。
AK : てかなんか勤めないとお金ないしどうしよって。で、いろいろやってて感じ。
GI : えーと大学行って23,4のころってこと?
AK : 23
GI : そんときはじゃあ色々やってたっていうのもデザイン事務所に勤めよとか、そういうのはなかったん?就職っていうのも普通の一般企業ではないわけやろ
AK : なんか編集部か写真か、本屋さんか、デザインか。それのどれかみたいな
GI : 本屋さんが入るんやそこに笑
AK : それのどれかみたいな
GI : へー、おもろ笑 そうやんな、写真も一応候補にあったんやもんな
AK : で全部一応
GI : え、じゃあ写真も一応自分趣味程度ってか好きで普段撮ってたってこと?
AK : うん
GI : それを作品にしようって気はあんまなかったの当時?
AK : ないです。商業写真のほうが好き
GI : あーなるほど。やっぱり目的があって撮る方がいいってことやんな
AK : うん
GI : 仕事はせんかったん?写真で
AK : 仕事?
GI : うん、頼まれて
AK : あ、でも学校いた時にロンドンで、ファッションの子と撮影とかは結構やってたけど
GI : やってたんや。
日本でもそんな感じでやれればいいなってのは若干あって、いろいろ四つくらい選択肢があって、とりあえずどれかに絞ろうとするってよりは全部に手をつけようって感じ?そういう感じでもない?
AK : 全部。全部一応履歴書送って
GI : で結果どうだったん?送ってみて
AK : えー、どれもなんとなくやった気がします
GI : じゃあ本屋さんもやってみて
AK : うん。インターンだけ。なんもしてないけど。あの、濱中さんとこ
GI : twelve booksいたの?
AK : 多分2週間くらい
そう、いつんとき?
AK : 24とか
GI : じゃあtwelveで2週間くらいいて、他はなにやってたの?
AK : でもそれもなんか本当は大神さんに履歴書送ってたのに、面接したら濱中さんの方に回された
GI : そうなん?笑
AK : なんかいろんなイベントとかやってて
GI : いまSHUKYUの人やんな
AK : そうですね。
GI : SHUKYUはちょいちょい一緒に仕事してるんやけど、まあじゃあやっぱり大神さんにってことはイベント企画したり雑誌っていうか編集みたいなことを期待して連絡したって感じやんな
AK : んーよくわかんないけど、なんだったのかわかんない。笑 なんとなく笑
GI : じゃあまあそれがとりあえず濱中くんのところになり、2週間くらいで終わり
AK : なんもしてない笑
GI : 笑
おもろい
AK : たぶんお前なんでいるんだよって思われてた気がする
GI : そうなんや。他は?デザイン事務所はもうそん時に長嶋さんのところ?
AK : いや、もっと後かも。ホンマさんに面接して落ちて。で、りかこさんはもうちょい後に
GI : じゃあその前に他に言ってたデザイン事務所もあるの?
AK : いやっ、でもいろいろ送った気はする。服部さんのとこも好きだから送って面接して、でも今アシスタントいるから駄目みたいで、ああってなって、そういうのいっぱいあります
GI : そうなんや。でもその24,5歳で、こっちでどうしよっていろいろやってる時期ってどれくらい続いたの?
AK : そんなに、半年くらい?
GI : じゃあその半年後って何やってたの?
AK : で、りかこさんのところ
GI : あ、そうなんや、じゃあ25,6で長嶋さんのところにはいたんや
AK : 24でいました。6でやめたから
GI : 岡崎さんとは被ってんの?
AK : わたしがやめて、岡崎さんが入って
GI : 入れ替わりや。ふーん。じゃあ長嶋さんとこ出てからいままでも結構時間があるんやな
AK : たしかに。もう7年も
GI : 7年間はフリーってこと?
AK : やばい笑 確かに
GI : 何もやばないやん笑
AK : 焦ってきた笑
GI : なんで笑
でも長嶋さんとこ勤めてる時は一応勤めてるわけやん、会社員とは違うけど今よりも時間はかなり束縛されるわけやろ、当然。でも長嶋さんのやり方覚えて一緒に仕事やったりってことやろ?ほんま修行期間みたいなもんや
AK : うん。そうだと思う。もうひとり福島さんて何でも出来る人がいて、わたし何にもできないで入ったから、全部教えてもらって
GI : えじゃあデザインって、興味はあったけど実際そのテクニカルなことも
AK : 福島さんに
GI : 全部?
AK : 全部
GI : 0から 教えてもらったってこと??!!
AK : イラレ 持ってなかったし
GI : まじか。そこからはじまったんや
AK : そうです。だから福島さん
GI : 福島さん大変だったやろ
AK : 大変
GI : へー。笑
でもそん時絶対これがやりたくて、これで生きていくんやって感情とはまた違うわけ?デザインをやるってことに関しては
AK : うん…
GI : とりあえず興味があってこういう機会があって、こうなったからとりあえずこれやろうってこと?
AK : なんか最初お手伝いしてて。引越しの。博報堂から個人事務所に移る時の荷物の手伝いしてて、そしたらインターンにしてくれて、インターンでお手伝いしてて、そしたらバイトにしてくれて、で、初めての社員
GI : だんだん昇格していったんや。引越しの手伝いから笑
AK : そう
GI : じゃあそれまで、まあいろんなことは好きだったろうけど、特にグラフィクデザインに関して知識があったとか、勉強してたとかってことは本当になかったんや
AK : うん、学校行った時は本当にやってないです。もっと他のことしてました。
GI : へーわからんもんやね人生
AK : うん
GI : じゃあ長嶋さんとこいって、26でまあ辞める理由とかはいろいろあるやろうけど、すぐ独立しようと思ってやめたの?
AK : なんか最初っから社員になったときに2年間って決まってて。
だから岡崎さんも2年だし
GI : 2年で出ていって、卒業するそういうサイクルなんや。 そういうのがあるんや。
まあ長くいてもってことがあるんやろうなあ
AK : しかもお尻があると気持ち的にあとじゃあ3ヶ月だから頑張ろうって
GI : いいか。で、辞めてすぐ自分で始めたってこと?
AK : うーん。うん
GI : あやふやなんか。
AK : やめて、ずっと旅行とかしてて、帰ってきて、なんかしなきゃみたいな
GI : バックパッカーみたいなこと?
AK : ヨーロッパとか
GI : ふらふらふらふらまわってたんや。それはこう目的があってするってじゃなくて?
AK : なんか二年間で疲れたから
GI : デトックス?
AK : どっか行きたいなって
GI : どれくらい行ってたん?
AK : でも1ヶ月もいないかも3週間とか
GI : あー、それで帰ってきてやらんとなーって感じで始まったんや
AK : そう
GI : 事務所っていうか、小池アイ子って名前でやってるん?なんか屋号とかあるん?
AK : ないです。本当にだからもうひとりで。あ、でも漢字で違うと思う。アイが本当は漢字で
GI : あ、本名はそうなんや。それをカタカナにしてるってことや。それがデザイーナーとしての自分の屋号みたいな
AK : そうです
GI : なるほど。最初っから仕事ってうまいこといったん?
AK : えー忘れちゃった笑
GI : まあでも長年やれてるわけやろ
AK : うん。。
なんとなくあった
GI : どういう仕事が多かったん?ずっと今と同じ?変わらん感じ?
AK : うん。こんな感じ
GI : ファッションもあれば美術展のもあって。自分の作品って変わったと思う?
AK : うーん。あんまり
GI : あんま変わってない?
AK : わかんない。作風とか別にない気がする
GI : あるよ笑。
作風って言葉があかんのやな、だから
AK : そう特徴みたいなあんまない気がする
GI : えー充分あるんじゃないかな
AK : や、あの、なんかイラストっていうかグラフィックじゃないから。あんま。わかんない気がする
GI : やー、でもなんつんだろう。小池さんがどういうニュアンスでそれを言ってるかがちょっとわからんけど、でも、えーどういう言い方がいいんだろう。だから小池さんがどこまで狙ってやってるかわからんけど、グラフィックデザインってこういうものですよねっていうのをわざと外してるとも思わんけど、でも小池さんなりに絶対こういうことの方がいいっていうのがあると思うし、でそこには小池さんのメソッドというかテクニックがあって、ちゃんと色があると思うけど
AK : うーんでも説明できない
GI : まあねえ。まあそうやろうね。でもなんだろ、俺が今回お願いしたってところに繋がる話やけど、ものすごくロジカルに理詰めできちっと出来上がってるものを求めてたわけじゃないし、かといってこう言い方が…難しいよななんだろうな
AK : あれですよねちゃんとしてないみたいなことよく言われる。ゆるいみたいな
GI : あー、まあ緩く見えるというか。なんか,なんだろう
AK : 崩したいんでしょ、みたいな感じで言われる
GI : 崩したいわけじゃないでしょ?でも
AK : うん。整えたいです笑
GI : やんな。俺にはそう見えてるけど。笑 だからこう、新しい作品のタイトルを前ずっと考えてた時に、最初音痴っていうのを使いたかったんよ
AK : 音痴?
GI : うん、音痴って歌うのが苦手の音痴。
AK : 漢字の
GI : でもまあ音痴をどういう風に表現するかっていうのを悩んでて、結局音痴ってのは使わんかったんやけど、音痴ってすげえいいなって思ってるんよ
AK : え、伊丹さん音痴ですか?
GI : 俺残念ながらわりと歌えるんよ笑
AK : あははそっか笑
GI : なんつーの、正しい音程と正しいリズムで歌いたいのにずれてしまうのが音痴やろ
AK : あー
GI : 正しく歌えない
AK : 狙ってない
GI : 狙ってないけどずれてしまう。割と写真ってそういうもんやと思ってるんやけど。自分が見てるものをそっくりそのままコピーしたくて、カメラを使って撮るのに、絶対見てるものと違うものになってずれてしまうから。だからこう、構造的には、っていうと言い方が変やけど、まあ構造的には音痴と写真っていうのは割と近いと思ってて、だからこうやってしたいのに、こうなってしまうっていうのが凄く好きなんよ、多分。で俺は小池さんをそういう風にみてる
AK : えー
GI : 多分整えようとして小池さんなりにかちっとしようとするんやけど、こういう風にずれてしまうっていう風な感じで見てるんよ
AK : 音痴。笑
GI : 嬉しくない?笑
AK : わかんない笑
GI : 笑でもそういう感じ。で、こういう風にしたいってなって、思ってることがそっくりこのままこうなるっていう技術がある人もいるし、そういうロジックをしっかり持ってる人もいて、それにはそれの良さがあって。そういうものが必要な時もあるんやけど、俺は今回は自分で始めたこのレーベルっていうと変やな、プロジェクトとも違うし、何て言っていいかいまだに自分でもわからんのやけど、自分がやろうとしてることを、俺は間口の広い物にしたいっていうのはずっと言ってると思うんやけど、あんまり難しいことにしたくないんよ。理詰めでこうだからこうでああでっていうのにはしたくない。もう少しちょっと、自分のこと話すと、どんなに自分が否定したって今やってる写真は多分世間から見れば美術の範疇で、美術のことをやってるんやけど、その中のゲームっていうかルールがあって、そのルールに則ってやってかんといかん。でも、あんまりその括られた、これが美術ですって中だけで動くのってものすごく息苦しいし、自分がそういうところでやってけるとも思ってないし。でも、それは凄く好きだから、見たり触れたりはするんやけど、でも、その美術です、とか音楽です、とかファッションですって、カテゴライズされたちょうど間くらいのところで、どっちなんかよくわからんものって一杯あるって思うんよ。俺はそういうあり方の方が好きで、凄く豊かやなって思う。だから美術の人が見ても反応できるとか、ファッションの人が見てもいいと思えるとか、そういうものの方が俺はわりと好きで。で、俺は小池さんが作ってきたものを、まあだから、昔っから知ってたわけじゃないけど、新参者やけど、見た時にそういう感触があったからお願いしたいと思った。前も言ったけどずっと探してたから。なんかこうサイトとロゴをデザインしてくれる人誰かおらんかなーって。で、そういう感覚に上手くはまる人って、俺があんまり知らんだけなんやけど、他に知らんかって、外国の人の方がいいのかなって、いろいろ考えてたから。だから小池さんが持ってる質っていうのは俺はしっかりあるように思うけど。本人がどう自覚してるのかはわからんけど
AK : 音痴
GI : 音痴。音痴はいいんよ
AK : 音痴かあ。えー
GI : なんだろう、音痴って響きはあれやなあ。誰って言えばいいかな。森高千里みたいなもんかな、ヘタウマみたいな。違うなあ。なんだろう。あの人結構面白いんよ。歌もそんなに上手くないけどあの人が歌うと妙にいい、なんていうんだろう。ドラムもやるんよ。
AK : えー
GI : 意外と細野さんとかともやってて。やっぱ面白がられてるよな
AK : そうなんだー
GI : だから、なんでこのフォント使うんだろう、とかって多分みんな思うんやろ。あとはこうグリッドシステムみたいなんでかっちり構築してないから、だからみんな崩したり、とか崩してる、って思うんやろうけど。おそらく。グリッド使ってデザインせんやろ?
AK : うーん。でも、本当は色々あるのに、伝わらないから悔しいです
GI : あ、あるんや
AK : あるっていうか、絶対こっちがいいのわかってんのに、それをうまく説明できないから
GI : プレゼン能力ってこと?
AK : うーん、てか言葉にできない
GI : そういうことか。絶対小池さんの中に、自分の中にこれがいいっていうのがあるのはわかってるから、でもこうなかなか言語化できないっていうジレンマがあるわけやろ
AK : そう
GI : 割とここに、こう、しっかりある人なんかな、小池さんは。なんもない人じゃないから
AK : でも悔しいです
GI : そっか、いっぱいだってデザイナーって本当にアイデアとか、ラフとか提出して、いやこうじゃないって言われることって結構あるやん
AK : しょうがないけど、24時間365日そのことずっと考えてんのに、急に、え、じゃあ赤じゃなくて青にしてとかいわれると、だって!なんなの!って。わたしの力不足なんだけど
GI : なるよな。笑
AK : こんだけ思ってきたのに
GI : でもなるべく、全部そのまんま、やっぱり受け入れるって言うことを俺は自分に課してるというか。自分の想像の至らなさをもっとわかった方がいいよな。
思ってる以上にちゃんと考えてくれてると言うか。きちっと理由があるから。まあ難しいのは、だからといってそれを黙って受け入れなあかんっていう話ではないっていうところよな。言いたいことは言わんとあかんし
AK : へー
GI : だから言ったらいんじゃない?これはこうだからこうなんですって
AK : うーん。説明がへた
GI : でもあれじゃない?稚拙な言葉でも、いやこれはこうじゃないとあかんのや、っていうのは言ったら?笑
AK : そうですね
——————————————————————————————————————
GI : それまでにグラフィックデザインに対する、例えば、グラフィックデザインの歴史みたいなのってあるわけやん。日本のはこうで、でもイギリスはこうで、そういうのって知識としてあったの?
AK : えー、ないかも。でも普通に横尾忠則とか好きだし、仲條さんも大好きだし、知ってはいるけど
GI : じゃあ好きなデザイナーで先輩方でそういう人がいたっていうのはあったってくらい?今ってそういうのってどうしてるの?知識は積極的に自分で取り入れるって言うか取りにいく人?
AK : うん。うん?うん
GI : どっちや笑
AK : 普通に
GI : 例えば今情報収集ってどうしてるの?
AK : えー。本とかネットとか
GI : 本は?買う人?
AK : めっちゃ買います
GI : 買うんや。ネットで?本屋で?
AK : 両方
GI : ああじゃあ本屋も結構行くんや
AK : いきます
GI : 一般書店ってか、青山ブックセンターとかそういう大きいところ?
AK : でも古本が好き
GI : 古本か
AK : でも文字じゃない本
GI : ビジュアルか。ビジュアルばっかり?それって狙い撃ちでこの人のが欲しいなとかじゃなくてフラッと行ってああ良いって思ったら買う感じ?
AK : なんか、それもあるし、なんか気になるのっていうのでヤフオクとかで検索してるとめっちゃ出てきて、それ買って見てるとまたそこに気になることがあってまた買ってとか、古本屋行って初めて、うわこの人めっちゃかっこいいみたいなのとか
GI : へーーーーー
AK : あんま新品の本は買ってない気がする
GI : 古本とかって古着とかって抵抗ないんやもんな?
AK : ないです。あ、でもうん、ぬいぐるみとかは嫌です笑
GI : 笑 そらな。まあ俺は駄目なんよ。生理的に古着も古本もできれば避けたい。どうしても必要なもんとかは買うけど、新品があるなら新品がいい。それは本当に生理的なもんで、実際すっごい嫌で触れんとかじゃなくて、届いたらそれはそれで見るんやけど。じゃあ新しい現行の生きてる作家とかで、凄く見てて動向を気にしてるとかではなくて、わりとこう物故作家含め、偶然出会ったものを大事にしてるというか、そう言うものの方が好きってことなんかな?
AK : んー両方好き、かな
GI : 買った本ってどうやって保存してる?保存っていうか本棚やばいことにならん?
AK : 本棚やばいし床もやばい
GI : もう積み上げてんの?
ばーって
AK : 積んである
GI : テキストは読まないの?
AK : 読めないです
GI : 読めない
AK : 苦手
GI : じゃあ文字ばっかりの本とかは買わないの?
AK : なんか表紙が好きで買うとかはあるけど中身は読んだことないです
GI : それもすごいな
AK : いや、本当に読めない。笑
GI : あ、そうなんや。俺も年とるにつれてだんだんだんだん読めんくなってる。
一行読み始めて5行目くらいまで行ってもいっかい一行目
AK : わかるー!
GI : 何回やんねん俺って思って 全然頭に入ってけえへんって
AK : 多分人生で一冊も読んだことないかも
GI : わ、すご
じゃあとにかくビジュアルを見ていくってことが好きってことやなんな。かっこいいって思うのってどういうところにかっこいいって思うの?
AK : なんか、うわ!って
GI : うわっ!!て感じ?
AK : とか、ひっそりかっこいいやつとか
GI : あー。例えば本の構造がー、とか、あとは製本方法とか作品の内容もそうやけど、編集もそうやし、本のかっこいいっていくつもあるやん
AK : たしかに
GI : 俺は新刊ばっかり見てるし、そういうところを探すんやけど、小池さんと全然また違うところを見てる気がするよな
AK : あんまり紙とか仕様とか興味ないかも。てか好きじゃない
GI : うん。大事なところはそんなもんじゃないってことやろ
AK : え普通にコート紙のA4の中綴じが好き。裁ち落とし
GI : あー。凄いよくわかる。工業製品好き?工業製品が好き?って言い方おかしいな、えーと
AK : 工業製品?ユニクロ?とか?
GI : ユニクロ、とか、世の中に大量に作られてるもの。あたりまえのものとか一番使われてるものとか
AK : えー。え、どういうものですか?
GI : うーん一般的に
AK : マクドナルド?
GI : あー、まあそういうことでもあるなあ。なんか一点ものの作家の、とかってよりも、折り畳みの会議でよく使われてる椅子のほうが好きとか
AK : あー
GI : 今言ったみたいなA4で一番中庸なものが好き、ってことやん?
AK : ていうより一番かっこいい気がする笑
GI : もう単純にそれが一番かっこいいと思う?凝ったことするよりそういうあり方の方が格好いい?
AK : うーん。うん。うん
GI : そんな難しいこと考えてるってより、単純にそれがかっこいいってずっと思ってるってことやろ?
AK : とか、買っちゃう
GI : 買ってしまうんや
AK : かっこいい
GI : ふーん。いや、わりとそこに結構凝縮されてる気もするなあ。でも工業製品が好きかっていうとそういうことでもないんよな
AK : 工業製品?
GI : うん。大量に作られる、安価に大量に生産できるものっていうのが、俺知ったかみたいにいうけど、産業革命以降印刷とかもそうやん。大量に複製する技術ができて、それがこう安価に販売できるようになってそういうものができて、あーいうのって機能に特化されていくから、意匠に凝るってよりも本当に必要最低限のプロポーションとシンプルな構造で大量に安く作って出回る。そういうもの
AK : アイフォンとか?
GI : アイフォン…まあ現代で言うとそうかなあ。えーと、むずいな,
なんて言うんやろ。詳しくないけどでも本当に一杯作られてるもの
AK : うん…
GI : じゃあエディションが少ない、数が少ない希少なものがいいとかって言うのは全くないってことやろ?特殊な仕様とか
AK : いや、ただ印刷とかに興味ないだけで、本に関しては。ハイクオリティとか色校正何回とか、紙高い、のとかはあんまどうでもいい
GI : じゃあクライアントが凄いクオリティの高い印刷を求めてたときはどうするの?
AK : そしたら乗って楽しむけど、基本的になんでもいいかな
GI : そうなんや、なるほど 洋服も古着が多いやろ
AK : 多いです
GI : 古着の場合はでも全部一点ものやもんな
AK : うん、一点ものの方が好きかも、でも
GI : そうやんな、そうやって話すとな。
買い逃すことないの?買い物とか。躊躇せんの?結構即決?
AK : うん。結構買っちゃうかも
GI : お金があるとかないとか関係ない?
AK : 結構ひーひー後でいう
GI : 笑とりあえずカード出すって感じか。あんまりじゃあ高いとか安いとかそんなに気にしない?
AK : んー、でも食べ物とか美容とかにみんなよりかけてないからその分本買ってる気がする
GI : へー。そうか。でも意外やな。本そんなに買うんや
AK : うん、買う。別に高い本じゃないけど
GI : いや、本の管理どうしてるんやろって。俺ももう膨れ上がって
AK : どうしようもない
GI : だから家族にぶーぶーぶーぶー言われて
AK : たしかに笑しかも自分の今回のでスペースが
GI : 玄関にダンボールが積まれてるからはやくあれを出さんとあかん笑
AK : 重い笑
GI : めっちゃ重い。へー。同世代の作家とか作家っていうか同業者とかで気になる人は?
AK : 同業者?
GI : おんなじデザインやってる人らのこととか、まあ仕事で関わる人とか、まあファッションもそうやし、美術もそうなんやろうけどそういうのって、こう、気になってちゃんとチェックとかしてる人?
AK : うーん
GI : してない?してないわけではない?
AK : してるけど、そんなに
GI : そういうのはSNSでだいたい情報を収集してんの?
AK : しようと思ってしてはないけど、入ってきたら
GI : そうやんな、まあTwitterにしろインスタにしろなんとなく開いてチェックして、それで入ってきた分くらいってことやな。あえてそっから自分でこうぐっと入ってって、この人もあの人もいっぱい情報を見よっていう感じではないってこと?
AK : うん
GI : 世間のニュースとかは?テレビとか
AK : テレビ見ないです
GI : じゃあニュースはネットニュースだけ?
AK : うん
GI : 世間で起こってる社会情勢とか国際情勢とかは?あんまり?
AK : ネット
GI : 全部ネット?一応見るん?
AK : うん
GI : でもネットだけやったら偏らん?
AK : でもテレビはなんか具合悪くなる、ていうかあんまりいいことがない気がする。いい情報が。ニュースは。お笑いとかは面白いと思うけど、ワイドショーとかはぜんぜん見たくない感じ。ニュースも
GI : 俺の場合は世代もおっきいのかもしれんけど、家でテレビがついてないと嫌なんよ。だから帰ってまずテレビつける。もうラジオ的にずっと流してる感じで、例えば報道ステーションが始まったら一応報道ステーション見るんやけど、でも報道ステーションってテレビ朝日やから、どういう思想のもとにこういうのをやってるかっていうのは一応知ってるから、それを加味しながら見るっていうか。で11時がきたら日テレに変えてNEWSゼロを見てみるとかする
AK : えーー。
毎日?
GI : 毎日でもないけど、でもご飯食べてお風呂入るまで時間がある時は。わりと疲れてる時とか、ボーッとしててテレビ見てる時とか、はわりとそういう感じで見てる。で、野球やってる時とかはスポーツニュース見たいから、そういう風に見てるところがある
AK : たしかに野球とか
GI : うん。今の若い人テレビ見ないっていうのは知っているけど、どういう風にニュースを仕入れてるんだろうと思って
AK : ネットです
GI : どういう風に?海外のニュースサイト?
AK : えー。色々
GI : で、SNSだったらインスタやってるやん。ツイッターは?
AK : やってないです
GI : インスタだけ?
AK : インスタだけです
GI : インスタやってるデザイナーは割とやってんのか。友達とかどう?
AK : んー、やってる気がする
GI : 俺最近よく思うんやけど、写真撮ってる人間は割といると思うんよ、インスタやってる人。
AK : なんかいちいちWEBにアップするよりいいですよね
GI : まあそうやんな。
販促ツールみたいに使ってるんやろ。でも美術関係の人は圧倒的にTwitterやろ
AK : ああ。キュレーターとか
GI : まあ批評家、キュレーター、あとはまあプレーヤーも
AK : んー
GI : Twitterをやってることに関しては別に全然なんでもいんやけど、結局何か彼らが情報を仕入れる時って全部言語を介して、おそらくやけど、まずその人の作品を知るってよりも、作品を見るっていう経験の前に、その人のTwitterでその人の人となりとか、その人の考え方とか思想がTwitterで入ってきて、で、こういうことを考えてて、こういうことをやってる、っていうのをまず言語で理解してから作品を見るから、なんつーんだろうな。まあ誤解を恐れずにいうと、俺はあんまりその理屈がすごい通ってても、ビジュアルに力がないっていうか見た時に面白いと思えない物よりかは、その人自身が言語化できんかったとしても、見て面白いと思える方が好きなんよ。それは単純に俺がそういう人なんやけど。でも美術の世界は、やっぱりそれよりもまずその人がどういう人で、どう考えてて、どういうコンセプトでこれができあがってるのか、みたいなことの重要さみたなのがTwitter見てるとあって、やっぱりそういうあり方でコミュニティが形成されていて、ていう風な仕組みなんやなと思って見てるんやけど、だからみんな言語で理解できるものが好きっていうか理解したいんやろなって思って見てる。
だって小池さんが作ったものを言語で説明しろって言われて、言語で説明してそれが面白いのかっていうとあんまり俺はそういう風には思ってないところがあって、別に小池さんのやる作品を分解して言語化せんくてもまず見てみりゃいいのにって思ってしまうんやけど
AK : へー
GI : あんまりそういう風に思うことない?
AK : え、Twitter?
GI : うん、まあ。なんかみんな言葉好きなんやなというか
AK : あー、うーん
GI : だって小池さんも文字が書かれてる本は読まんけど、ビジュアルで描かれてる本は大量に見たりして好きなわけやろ?でも多分本好きの中には、小池さんが好きっていう本を、誰が書いてて、どういう思想のもとにこれを作ったのか、とかがあって、この人はこう考えてて、これはこうだって、多分そういうのを話すのが好きな人たちもいるやん
AK : うんうん
GI : で、もっとぱっと見て自分がどう思うかを大事にしてもいいのになって思うことが俺には時々あって
AK : たしかに
GI : だからなんだろうな。やっぱり言語がないと生きていけんし、理解もできんから当然必要なんやけど、言語が大事なことと同じようにもうすこし自分が見るって経験を大事にしてもいいのになって思うことが割と俺にはある
AK : 確かに実際に生で見るのとSNSで介して見るのと違う
GI : 違うよな
AK : 批評家とかがやってるイメージありますTwitterは
GI : みんなそうやんね。やっぱり言葉を扱う人たち。俺はわりとそこからこぼれてしまってそこでフックアップされないけれども、面白いことをやってる人はいっぱいいると思う
AK : うん
GI : まさに言語化が難しいとか言語化する価値がないと思われてそうなものとか
AK : うん
GI : まあなあ、やっぱり理解したいんだろうなって思う、いろいろ。言語によって理解可能なものになる方がいいんだろうなあ。理解できんくてもよくないか、と思うんやけど
AK : 本当に好きなものって説明できない気がする
GI : だってBECKのことなんて、まあBECKなんてもういっぱい言葉にされてるやろうけど笑
AK : 笑
GI : どれも当たってるなって思うところもあるやろうけど、でもそんなんじゃないって思うところも絶対あるやん
AK : 確かに
GI : オアシスのことをなんで好きなんて言われてそんなペラペラペラペラ喋れんっていうか、なんでって言われてもな、って話やしな
AK : 確かに。嫌いなものは説明できるけど
GI : できるんや笑 こええな
AK : こーだから嫌だって言える気がする笑
GI : や、だから割と興味があったのは同世代の人らのこととかをどう見てるんだろうなとか、どういう風に情報収集してるんだろうなっていう。なんかYouTubeよく見てるってこの間も言ってたけど、
AK : うん
GI : snsもそんな積極的にやってる感じもせんし。割と普通の使い方してるっていうかなんとなく気になって開いて見る、で見て、そん時に入ってきた情報ぐらいってことやろ
AK : うん、そんなシリアスじゃない
GI : てことやんな。だからまあ逆にいうと一生懸命誰が何やっててっていう、それを探しにいくようなことしてないってことやろ
AK : うーん。インスタやってる周りの友達とかの別にうん、気になんない
GI : まあ、俺もそんな感じなんやけど、情報、例えばカメラの機材のこととか。洋服のこととか野球のこととかを
AK : そか野球の勝ち負けとかを
GI : 笑 まあ気になったのはやっぱTwitter使って調べるようになって、それでTwitterやるようになったんやけど。あんまり真剣に見てるともう本当にこっちが疲弊するやん。人の考えが10個あったら10個違うのが物凄い熱量で書かれてるのがボンボンボンボン自分に入ってきて、こっちがしんどくて無理やから見んようになったんよ、もう。で、写真も同世代がやってることとか俺は一応気にはなるんやけど、いちいちこういうことやってるっていうのを知るのもしんどくなってきて。もうどうでもよくなって
AK : え、例えば誰ですか
GI : いっぱいいるよそんなん
AK : そっか
GI : で、仲良い人もいれば全然知らん人もいるんやけど、へーこの人がこんなことできるんやって嫉妬したりすこともあるし
AK : 仲良い写真家いますか?
GI : おらん。笑
AK : 笑
GI : まあ顔見知りやし、仲良いとか悪いとかじゃなくて会ったら全然話すし、まあそんなもんで、距離が近くてすごい仲良いみたいな人はいない。今は別にみんなそんな感じじゃないんかなあ。仲良い人も一部はいるんだろうけど
AK : ふーん
GI : なんかまあそういう付き合い方になってきて、本当に情報収集するときだけTwitterはいいなと思うし
AK : うん
GI : インスタもそれこそ気になった洋服のブランドとかお店があったらとりあえずインスタ絶対やってるから、そうすると全体像がわかるやん。ああこういうことやってるんかあ、っていう。俺は靴作ってる人とか、靴のリペアの店とかそういうの好きやったりするからそういうの見たりする時にちょうどいい
AK : そっか
GI : 本当に情報収集のツールになってる
AK : へー
——————————————————————————————————————
GI : 小池さんの場合はどういう風に1日を過ごしてるのかとかがあんまり想像つかん。
まあ前にちょろっと聞いたけど
AK : パソコンの前に座って終わります笑 1日が
GI : あれ、早いんやっけ、起きるのは。決まってるんやっけ?
AK : いや
GI : ばらばら?
AK : ばらばら
GI : 昼まで寝るみたいなことないの?
AK : あんまないかな
GI : ぐっすり寝れる人?全然不眠とかはないの?
AK :不眠ないです
GI : ふーん。すぐ寝付ける人?
AK : 2秒で
GI : マジで?
AK : どこでも寝れる
GI : そんな早く寝れる人は、それは寝てるんじゃなくて気絶してるらしいで笑
AK : えー!こわー!笑
GI : 布団に入ってすぐ寝れるっていうのは睡眠に入ってるってよりも気絶してるっていうらしい笑
AK : やだー笑 そうなんだ。
GI : じゃあ寝ることには困らんのや
AK : うん。どこでも寝れる
GI : 起きて大体フルーツ食うんやろ?
AK : 黄色いキウイ笑 絶対食べる
GI : ぜったい黄色いキウイ笑 ほんでまあパソコンの前に座って、いろいろ見てて、気が付いたら割と時間立ってる感じ?
AK : もう寝る時間
GI : 嘘やってそんなん笑 何見てんねん笑
AK : 本当に笑 でもそんな感じ
GI : ゲームはせんの?
AK : しないです
GI : まじでパソコンの前に座ってて、YouTubeくらい?
AK : うん。まあ仕事しつつ、
GI : 合間合間で見て?
AK : でたまに散歩して
GI : YouTubeは何見るん?
AK : なんか韓国の。でも色々みてます。うん
GI : あ、そう。決まってるところ巡回するように見るん?それとも偶然出会うように毎回違うところに飛んでいくの?
AK : あ、なんかおすすめで出てくるから
GI : もうそれを受け入れていくの?ひたすら
AK : だし、なんかで見て、面白いって思ったらまた見るし
GI : へー情報のとりに行き方が受動的なんか能動的なんか不思議なバランスやな
AK : あー
GI : 古本屋に行って、ぱって手に取るのと、サジェストされたものをそのまんま見にいくとか、割と受動的ぽいけど、でもそれだけじゃないもんな、自分からもとりにいってるもんな
AK : でも意外と普通にいろんなもの見にいってる気がする
GI : あ、そうなんや。展示とかも結構行くんやったっけ?
AK : うん。行きます
GI : 俺全く行かんから。本当にこの人のは見にいかんとまずいってやつですらなかなか行かん。
嫌いではないから、何て言うんやろな、腰が重い
AK : うん。たしかに
GI : 自分一人しかいないとか分かってたらいいんやけど、まあリヒター行ったんやけど。
もう腰が重かったんよ、めっちゃ混んでて、そうするとなかなか見たいように見れんからそれでもう集中力が続くとか続かんじゃなくて、あーってなって駄目なんよ、もう見れない
AK : うん
GI : そういうのはないの?
結構どういう状況でも自分は自分でって見れる?
AK : うーん。あんまり見れないかも。。笑
GI : ストレスにはならん?
AK : あのなんか説明とかは読まないけど、なんかどんなもんなのか一応見たい
GI : そうなんや、そういうのはあるんや
AK : いまなんか演劇の仕事よくするから、やっぱ見ないと本当にわかんないなって思いました
GI : あーなるほど
AK : webとかで見てて全然つまんなそうって思っても見たらヤバかったっていうのがすごい勉強になってる気がする
GI : へー。今でもじゃあグラフィックデザインの仕事は面白いん?
AK : え??おもしろい??どういう??やってて?仕事として?
GI : そうそう。自分がやることを面白いと思う?
AK : んー、面白いのもあるけど、面白くないのもあるかな。笑
GI : じゃあずっとこれを仕事にしていくかどうかはやっぱりわからない?
AK : うん、それは別に
GI : なんか他に面白いことが出てきたらそっちにいく可能性もある?
AK : うん、ありそう
GI : 演劇は演じる方には興味ないの?
AK : ないです!!笑
GI : ふーん、やっぱりそういうことなんや。ほー|
AK : 演劇全然興味なかったけど、仕事で関わるようになって、最近面白いって思ってきた
GI : うん。演出する方とかいう可能性もあんのかな?
AK : いや、無理だな
GI : じゃあ演劇に関わるんだったらデザインがいまんとこは一番いいんか
AK : 普通に観たい
GI : 観客が一番いいんや笑
AK : うん、普通に観たい笑
GI : なるほど
AK : 別に、仕事じゃなくてもいい
GI : じゃあデザイナーじゃないとすると、今他に興味あることあんの?やりたいこととか
AK : えー、でもデザイナーやってる感じもあんまない
GI : ないんや、自分としては
AK : ない、、だから…
GI : 俺はじゃあどういう人に仕事をお願いしたんやろな。。笑
AK : たしかに…
GI : ははは、なんとなく伝わるけどな、その、デザイナーに対してそんなに執着がないのは
AK : んー。写真の方が好き
GI : あ、そう。撮ってる?
AK : 撮ってます。だから、この間思ったのは、なんか、その写真家のためのならいいんだけど、そうじゃなくて例えばその仕事のために写真を作家がすでに撮ってて、それはもうコンセプトがあって。その写真を渡されて、ここに文字情報とか入れてくださいみたいな。これ一番苦手。っていうか、文字苦手だし何していいかわかんない。って思って、うーってなって
GI : 終わったの?
AK : いや、今やってる。やんなきゃ笑
GI : うーってなるんや
AK : その作家性がない写真だったら、素材になるからいいけど、もう出来上がってるから何したらいいかわかんない
GI : それは逆に、それだけコンセプトがあって出来上がってるんだったら、やってほしいことも明確なんじゃない?
AK : やってほしいことは普通に文字をいい感じにのせなきゃいけないけど、それが一番難しい
GI : そっか
AK : 文字、苦手だし
GI : そうかあ…
苦手。苦手って思ってるだけで実をいうと強みになってないの?小池さんの文字の扱い方って。仕事において
AK : いやなんか、自分が写真撮ってれば、全然変な文字とかいれてよしってなるけど誰かが撮ってると遠慮するというか、もう崩せないしどうしようって…
GI : あー。まあそれはフォントの選び方からそうってことよな
AK : うん、あわない。あわないってか…
GI : 自分としてはこっちがいいと思ってもきっとそれは違うって言われるだろうなっていうのが出てくるってこと?
AK : なんかその写真に合わせなきゃいけないからそこに、いい感じなのがなんなのかわかんない。笑
GI : いいなそういうデザイナー笑
AK : むずかしい。だから今気が重い笑
GI : まあでもそういうのってセオリーって別にないやん
AK : んー
GI : だからセオリーがあるかどうかはわからんけど、やっぱりなんとなく共有みんなしてるようなのはある気がするけど
AK : たしかに
GI : それはヒアリングせんの?作家とかクライアントに
AK : んー、なんか最初っからその写真家の本とかその人のためのだったら全然いいんだけど、何かの仕事のために写真家とかがもう作っちゃってて、それを渡されても、もう無理、どうしようってなる
GI : 言ってたもんな、まるっと自分でディレクションできるんだったらとっかかりがあるから考えやすいけど、出来上がったものを渡されるのが一番嫌いとは言ってたよな
AK : うん、文字いらなくないかな?って笑 なっちゃうから
GI : なるほどなー
AK : うん、むずかしい。素材っぽい写真だったら全然いいけど
GI : なるほど。まあデザイナーってそういう仕事よな
AK : うん、むずかしい
GI : そっか、そういうことか デザイン以外に特に興味があることっていうのはない?もっかいじゃあ洋服の仕事は?
AK : 洋服の仕事は…うーんでも洋服別に好きじゃなくてファッションの映像とか広告とかが好きだからそれは普通にやりたいけど
GI : そっか、洋服が好きなわけではない?
AK : うん、ブランドのなんか、PR?じゃないけど広告物
GI : 特定のブランドとかあるん?好きな
AK : えーなんだろ、最近古着しか買ってないかも
GI : そっかあ
AK : でも、一応全部見てます
GI : あ、ほんま。それはお店見に行ったりもすんの?
AK : いや、普通にVOGUE RUNWAYで全部見てる
GI : 全部見るんやすごいな
AK : 全部じゃないけど笑 でもやっぱ見ちゃう好きです
GI : ドメスティックじゃなくて海外のいわゆるメゾンとかを見てるってこと?
AK : ドメスティックなのあんま今なくないですか?
GI : 俺いまそういうふうなことは全然知らん
AK : うん
GI : そっか でも日本のドメスティックなブランドはショーはやってないかもしれんけど多分今いっぱいブランドとしてあるやん
AK : あーたしかに
GI : ブランド自体は今増えてて、店舗持ってないけど卸だけでやってるブランドとかもいっぱいあるやろ
AK : たしかに
GI : そういうのとは違ってショーやってて、世界観持っててやってるブランドが好きで、そういうのの広告物みたいのが凄い好きってこと?
AK : うん
GI : ざっくりいうと
AK : ミーハー笑
GI : や、いんじゃない
AK : そうですね。普通に全部好き
GI : へー自分が着たいとは思わんの?
AK : 思わないです。服にあんま
GI : 印刷物の話と一緒やな、印刷にクオリティとかってことではなくてっていうのとわりと近い気がするな
AK : えなんかそのブランドの出してるなんかなんだろ動画とか音楽これか、あー、みたいな、こう撮ってる、うわ、みたいなやつが好き笑
GI : なるほど
AK : モデルこれかみたいな
GI : プロデユーサーというか、まあでもADかあ。
40なるころ何してるかわからんもんなちょっと、小池さん
AK : 40は…笑 スイカ…スイカ農園やりたい
GI : ははは、 地方で
AK : お姉ちゃんがスイカ好き
GI : 小池さんもスイカ好きなん?
AK : スイカ好き
GI : スイカってあったかいところでできんのかな、作ってるの北海道とかじゃないよな
AK : 北海道は…でもメロン
GI : メロンやろ、でもスイカは西側なんじゃないかな どうなんやろうな
AK : 調べます
GI : そうかスイカ作りたいんか
AK : だから全然違うこともちょっとやってみたい。パソコンが目に悪いから本当に
GI : 視力の衰えを感じる?
AK : 視力2.0
GI : めっちゃええやん笑よすぎやろ
AK : そう、ずっといいです
GI : でも気になんの?
AK : なんか、細かい文字の修正とかずーとやって徹夜とかした次の日とかもう血走ってる.
血走っててもう無理だって。頭も痛くなる
GI : あー、だからみんな聞いとけって話よな、小池さんのデザインもそれだけきっちりやってるってことやもんな。
じゃあ小池さんがデザインやってる間にお願いできてよかったわ。
AK : あ、スイカ
GI : うん、スイカになったらお願いできんやん
AK : いや、でも両方やる
GI : まあでもスイカ買うけど笑
AK : スイカ買ってくるれるんだ笑
GI : 買うよ笑
お、今年も小池さんからスイカが届く季節になったな、とか言いながら家族で食うよ笑
AK : たしかに笑
GI : ははは
AK : 毎年の笑
や、パソコンやりつつスイカもできる気がする
GI : まあべつに兼業でいけるからな
AK : し、どうせ仕事なくなる笑
GI : わからんよ、めっちゃ売れっ子になるかもしれん笑
AK : いやいやいやもう絶望的な感じ
GI : なんでそうなん笑 自己肯定感は強い方なの?低いの?
AK : 低い
GI : 低いの?なんで?ずっと?
AK : 生まれつき。ずっと
GI : へー。まあそうやな自己肯定感がすごい高いって風にはみえんもんな
AK : 高いですか?ふつう?
GI : 俺多分高い
AK : え、高いかなあ
GI : あの、すごくいろんなことが歳をとって謙虚になって客観的に見えるようになったから、調子に乗ることは無くなったし、自信に満ち溢れてる、とかではないんやけど、基本的な自己肯定感は高い。じゃないと俺なんかとっくに潰れて死んでる笑 こんな人生生きられない
AK : そっか。へー
GI : まあ自分やからやってりゃどうにかなると思って生きてきたから。やからなんだろう。人よりも俺はすごく優れてていいんだ、ってことではなくて、なんかまあ生まれ持ってどうにかなるように生まれてきたな、と思ってるから。人に迷惑かけようがなんだろうが,
例えば俺は36で子供ができた時もアルバイトしてたから。それでも人生どうにかなると思ってたんよ。都度都度そんときそりゃ真剣に考えて焦ってやっとうけど、多分、やってればどうにかなるって信じれるくらいの能天気さがあった。
AK : そっか。
GI : そういう風に自分を肯定してるというか、ただ若い時は本当になんも知らんから無敵やん?俺がやったらいけるに決まっとるやん、みたいに生きてた時もあったけど、でも残念ながら歳をとって、いろんなことが客観的に見れるようになって、分かってくると、やっぱり自分が出来ることと出来んこともはっきり分かってくるし
AK : えー
GI : 凄い人がいることも当然わかるし、だから謙虚にはなった。そんな無責任に自分だったら大丈夫とは言わんくなったけど。でも基本的に、まあすごく自己肯定感は強いと思う
AK : へー。そっか
GI : だって自分以外に誰も褒めてくれんよ
AK : 笑 むすめ!
GI : 娘もなあ、だいぶ大人になってきたからな 笑
AK : たしかに笑
GI : まだなんも分かってないからな、10歳やけどあんまりそういう視点はないからな、自分のお父さんやお母さんや自分の家はいい、って多分まだ無邪気に思ってると思う
AK : えー
GI : ちっちゃいときからなの?
AK : え、でも自己肯定感がよくわかんないかも。最近の言葉ですよね?
GI : そうやなあ
AK : 昔なかった気がする
GI : 自信があるかないかみたいな言い方だったんかなあ。なんだろ
AK : そっか
GI : 細かく分析する必要もないけど自信がないわけじゃないやろ、でも?
AK : 自信、何に?
GI : 自分に
AK : ないです
GI : ないかあ
AK : ワタワタしてる。感じ
GI : ほんま?うーんなんでなんだろう?
AK : 生まれつき。笑
GI : 俺からしたらなんでって思うんよなほんま。むずいな。自分とすごく違う。
だから一生懸命想像しようと思うんやけど、なかなか想像が追いつかん。もともとの人間としての質が違うというか すごくおれは古臭くて THE昭和なところが多いから。
AK : いっつも言ってる笑
——————————————————————————————————————
GI : 今の人たちの価値観が本当に単純に知りたいんよ。
誤解を恐れずにいうと、今の人たちが何をモチベーションに生きてるのかが、俺からしたらわかりづらいから凄く知りたいんよ。ないわけじゃないって思ってるから
AK : 伊丹さんはどうなんですか?
GI : そうなってくると、なんで写真やってるのかってところになってくるんやけど、結局まあだからなんもないよな、そういう意味では。これがしたいから生きてるとかは別にないし、生きてる間にこれを成し遂げなければみたいのとかもないし。でも生きてる以上写真と関わっていくし、そうやって関わっていくんであれば、どういう風に写真と関わっていくかなあって
AK : え、何歳くらいからかわったんですか
GI : 写真始めたのが25くらいやろ、初めて写真集出たの36だったんよ。やっぱ40くらいを境に、自分も他の人たちみたいに美術館でやれたりすんのかなって意識し出して、美術とかって全く興味がなかったけど、でも自分が今やってることって自分がどう否定したところでその範疇にあるから、きちっと勉強せんと、と思うようになって、そういうことを勉強するようになって、でも一向に自分はどっちつかずのようわからんポジションで、名前は知ってるかも、っていう感じでしか扱われんし、わりとちゃんと考えてるんやけどなって思うんやけど。だから俺がそういうものに興味があるっていうのは自分がそうやから、っていうのも凄くある。だから好きな写真家も多いけど
AK : 日本だと
GI : いっぱいいるよそれはまあ上の世代はいっぱいいるし
AK : 同世代?
GI : 同世代の奴は好きとは言えんよなあなかなか。でも評価されるのはそりゃそうだろうって思う
——————————————————————————————————————
GI : なんの話ししてたっけ笑
AK : 自己肯定感
GI : 何がいま一番楽しい?
AK : んー楽しい?
GI : やってて楽しいこととか
AK : あでも京都好きだから、京都行けてめっちゃ楽しかった
GI : 移住とかは?
AK : あ、もう住みたいです
GI : あ、もうそれくらい好き?何が好き?京都の
AK : 鴨川
GI : 多摩川じゃダメか笑 鴨川か。まあ京都ってチャリあったら回れるしな、あれいいよな。
食べることにはそんなに執着はないの?
AK : あー、あんまないかも。なんでも食べる
GI : 嫌いなものは?
AK : 牛乳と内臓と生肉
GI : 馬刺し食えんの?
AK : くえない。笑
GI : 美味しいのに
AK : うん
GI : じゃあ好きなのは逆に
AK : 芋
GI : 芋類?
AK : フライドポテト
GI : フライドポテトなんや。
じゃあどこいっても満足できるやん。
じゃあーー執着してるものは?
AK : でた笑 ありません笑
GI : なんに執着して生きてんの。教えてくれ!笑
AK : ありませんなんも
GI : ないかー
AK : なんもない。だからもうどこでもいける
GI : よな。家族には縛られてない?
AK : でも近い。常にお母さんとお姉ちゃんはラインしてるしよく会う
GI : でもまあ別に京都に移住したってそういうことはできるわけやん。家族がこっちにおるから絶対家族の元離れたくないとかでもないわけやろ?
AK : うん。一生住みたいかと言われたら別に2年くらいで
GI : なるほどなるほど。一つのところに留まるっていう執着が本当にないんやな
AK : えー
GI : だってロンドンも大学終わったらさっと帰ってきて
AK : 今もどっかいきたいなって思ってるけど、
GI : あ、そうなん
AK : いきたいかも
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GI : 死にたいって思うこととかあるん?
AK : えー、最近はないです
GI : 前はあったの?
AK : 若い時はみんな思う
GI : ないよそんなん
AK : いやいや
すぐ思う気がする
GI : 俺ゼロやったで
AK : それが多分珍しい気がする
GI : そんなわけないやろ、死にたくないやろみんな
AK : いやでも不安定だから10代とか
GI : 不安定だった?
AK : うん、今でこそいろんなことどうでもいいけど
GI : まあどうでもよくなかったんやなその時は。
えー死にたいってどういう気持ちなんやろ
AK : 絶望
GI : これ以上こういう辛い思いをしたくないとかそういうこと?
AK : 絶望 笑 絶望 笑
GI : 絶望…どういうことが絶望なのかわからんのよな
AK : あー。たしかに
GI : まあ嫌な思いは俺はいっぱいしてるんよ。嫌な思いはいっぱいしたけど、それが直接死ぬとかには結びつかんかったからな
AK : うん
GI : 碇シンジくんみたいなかんじ?エヴァンゲリオンの
AK : あーだってあれだってみんなの典型的な若い子の代表みたいなだから、みんなあーで年とって諦めてく気がするいろいろ
GI : そっか
絶望かあ…
AK : なんかいろんなことが気になんなくなる気がする
GI : まあそうなっていくよな。だから嫌でもわかってくるやん。世の中の仕組みもわかってくれば自分のことやってわかってしまうし
AK : たしかに
GI : んーじゃあ最近はとにかく死にたいって思うことはない?
AK : んーまあ軽い死にたいはあるけど。もう無理死ぬみたいな
GI : ははは
それはあれやろ腹いっぱいすぎてもう死ぬって感じに近いってことやろ
あーいう死にたいか。むずいなあーほんま
AK : でも若い子は絶対どっかしら暗い気がする誰でも
GI : そんな
AK : だからなんかなんか儚い感じする
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GI : あと50回くらい会えばわかるんかな。いろいろ
AK : えー
GI : でもだいぶ掘った気がするけどな。
まあ、松田くんもわかるんかって言われたらわからんし、まあそうなんやけど、まあこう松田くんがギリギリちょっと下の世代なんやけど、松田くんが40ならんくらいやったとおもうんやけど、小池さんと俺の間くらい。ちょっとこっち側の空気。昭和の名残があるくらいの感じやから。こう共有できるもんがもうちょっとある
AK : えでも年齢で、仕事とかしてて、あれって思うことない気がする
GI : はない。仕事でそういう風に思うことはない。
ただその人個人、例えば小池さんと話してて、すごい共有して共有認識がそんなに多いって思わんというか、自分とはすごく違う価値観でここまできたんだろうなって
AK : え、似てる人いますか
GI : やっぱり自分と同じ世代、てか上の世代はそれだけでなんとなく、やっぱり同じ空気吸ってあの時代感を生きてきたから例えば昭和の人とかだったら
AK : 森高千里
GI : とはまた違うけど笑 なんだろな、そういうのはもう根性論とかが通用するところがあるし、前時代的なマッチョな世界観とかも共有してわかってたりするし、そうやっておっきくなってきてたりするところがあるから
AK : そっか あと多分好きなものとかが全然違うってからな気がする
GI : そうそう、そうよな、で、俺らの時になかった価値観が社会にちゃんと浸透してる世代、そういうのの中にジェンダーとかポリコレの問題があって、俺らの時は本当にそれがひどい時期があったから。でもそれが当たり前として育ってきて、成人して、ある程度社会に出ていってからそういう価値観があるんですって知って、それに対応できん人もいっぱいいるやん。で、まあそうなりたくないから一生懸命理解、俺は最初本当に理解しようと思わんと理解できんことだったんよ。恥ずかしいけど。なるべくそれをきちっと理解したいと思っているんやけど、読むだけではなかなか自分が肌感として理解できんこともあって、だから若い人に会うと直接聞くんよ。やっぱり話ししてると、話し方とか、読むだけではわからんかったことが、やっぱり当事者じゃなくてもなんとなくわかることってあるから。そういうのは凄く大きい気がする
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AK : 理由がないとやんない
GI : そうやな。でもことあるごとに理由がいるっていうやん。
それってものすごく小池さんの中でおっきいことやと思うんやけど、じゃあ理由なくやってることってなんかある?
AK : んー。。散歩とか
GI : あー。まあそっか。散歩はしかも前から言ってたもんな。近所やろしかも
AK : うん
GI : 飽きない?
AK : 飽きたらちょっと
GI : ルート変える?
AK : うん
GI : 基本的にはでもおんなじとこグルグル歩く?毎回道順変えるとか
AK : あでも、例えば今日とか歩いて帰るとか
GI : なるほど そういう時ってどうやって歩くの?音楽聴きながらとか写真撮りながらとか色々あると思うけど
AK : あ音楽聴いてる時の方が多いかも。両方。聞かない時もあるし
GI : ふーん。そういう時写真撮ったりせんの?
AK : わあっておもったら撮るけど
GI : あれは?カメラは持ってんの?
AK : アイフォンで
GI : アイフォンで
AK : アイフォン好き
GI : で、アイフォン好き?
AK : 好き。カメラが
GI : 工業製品
AK : なんか色がいい
GI : ふーーーん
AK : のぺーってしてる
GI : でもそのA4判型の立ち落としの中綴じに感覚的に近いんじゃないの?そんなことはない?アイフォン、嫌な言い方やけどアイフォンのカメラって世界で一番使われてるカメラで、一番優秀なカメラで、一番普通のカメラってことやん。だから、そのなにか特別なことじゃない一般的に一番出回って一番中庸なものが一番かっこいいんだ、みたいな見方もできるやん
AK : あー。そうかも
とかtiktokとかインスタとかで誰かが適当に撮ったビジュアルがすき
GI : なるほどなるほど
AK : なんか
GI : 凄くよくわかる
AK : 友達とか知らない人とか
GI : じゃあ俺が自分のサイトの話しお願いした時もウィキペディアって出てきてすごい良かったんかな?
AK : へへへ えーどうなんだろ。でもなんかウィキペディアって言われて、めっちゃ凄いのつくる人はいっぱいいる気がする。だから私向いてない気がする
GI : まあでも まんまウィキペディアをやって欲しいわけじゃなかったから
AK : んー
GI : なんていうんだろ、概念としてのウィキペディアやったから笑
AK : そっか
First of all, I was very worried about who to ask to design the site and the logo. I wanted a design that had a wide opening, yet did not give a flirtatious impression. From my point of view, the impression I got from Koike’s design was exactly this: it was naturally dislocated. I think she is a very interesting person in terms of the technique she can finish with intention, the result, and the balance between the two.